ドイツ映画の中のドイツ ~字幕翻訳の現場から~

今回はドイツ語字幕翻訳の第一人者、吉川美奈子さんでした。

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字幕翻訳の仕事やドイツ映画について、笑いを交えながらのあっという間の2時間でした。“言葉”にまつわる苦労話は、まさに舞台裏を垣間見た感じです。たとえば、文化の違い(笑いのツボが違う、など)があるために、ドイツを知らない人にもスッと理解できるように翻訳をつけなくてはならないことや、映画なので字数の制限があること (1秒およそ4文字ほど)、また、放映するテレビ局によっては使える言葉が限られてしまうこと(苦笑)等々です。

ドイツ語を翻訳する作業に加えて、字幕翻訳ならではのご苦労もあって、字幕翻訳家はまさに縁の下の力持ちですね。そんなにたいへんなのに、存在を感じさせない「透明」な字幕が理想的なんだそうです。「透明」度を高めるために、吉川さんは日ごろから情報収集して、わからないものはネットやアンティーク辞書などを駆使して調べてるんだそうです。日ごろの努力が大切なのは、ドイツ語を学ぶ私たちにも共通していえることですよね。何でも調べる、とにかく調べる ・・・とっても大事なことですね。

吉川さんの貴重なお話は、一日かぎりのセミナーに収まるはずもなく、来年早々に続編のレクチャーをしていただくことになりました。(ウレシイ!)

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2011年1月公開、吉川さん翻訳の映画2作品。こちらも楽しみです!!

カテゴリー 日曜セミナー

2010年11月18日

欧日協会ドイツ語ゼミナール